「リグロス®」を用いるようになって。
- 2020年02月4日
こんにちは、にしまつ歯科クリニックの西松です。
ようやく寒くなってきましたね、ホント実感します。
むこう1週間が、この冬で最も低温らしいですけど、どんなふうになるのでしょう・・・。
歯周病治療は、歯を保存させるために、地味ながら継続して、歯を維持させていくための内容のものだと思います。
そのなかに、スケーリングやルートプレーニング、といった超音波スケーラー・ハンドスケーラーなど器具を用いた治療があったり。
また、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロス(糸ようじ)、タフトブラシなどの患者様に日常必須(!)ブラッシングを歯垢染め出し液を介して練習していただいたり。
それらを一通り遂行しても、今一つ結果が伴わなければ、歯肉を切開して、内部の不良個所を搔き出すなどでの外科処置に移行させます。
レントゲンや口の中の経過写真が資料になってきます。
科研製薬から発売されている、歯周再生治療剤「リグロス®」は、市場に出始めて4年足らずのなかで、先に述べたような患者様に用いるようなケースになってはいます。
ただ、ゲル状の薬剤でもあり、切開した歯肉を閉じる際、「ほどよく密閉」させて、包帯剤といったもので補助しつつ、「傷を守る」わけです。
保険適応でもあり、患者様には平等に提供できるというメリットもありますが、薬剤をしっかり安定させるには、人工骨や自家骨(ご自身の歯を支える骨)を利用する(この場合は診療自体が自費扱いです)ことも必要だな・・・、と感じたりもします。
材料のエビデンス(医学的根拠)がより確実になっていくには、患者様への施行例が蓄積されていくことも必要不可欠でしょうから、やはり外科治療を行った歯が長期的にどンな経過をたどっているかが、一番の目安でしょうね。
「リグロス®」が、「1本でも歯を大事にしておきたい」の患者様の思いと「本当に適応であるのか」の歯科側の判断とが、恩恵に授かれるような選択肢になってほしいです。