折れた歯の再植。
- 2016年08月29日
こんにちは、にしまつ歯科クリニックの西松です。
猛暑の8月も終わりに近づき、朝夕は涼しさを感じ始めました。
つい1週間前には、神戸の1日の最低気温が28.9℃を記録(観測史上最高らしいです)したぐらい、「激しく暑い」がピッタリでした。
台風が続々と発生、上陸しており、秋に向かっていくことになるんでしょうか・・・。
ケガで顔をぶつけた際や硬い食材を噛んだ瞬間に、あっという間に発生する、「歯の破折」。
つまり、歯が折れてしまうことなんですけど・・・。
歯の折れている箇所にもよりますが、浅い位置の破折なら、小さなかけらを取り出して、なんとか保存を試みてみることがあります。
「歯の再植」といって、一旦抜歯した後、内部をきれいに掻き出した後、歯の方向を変えて、戻す作業を行います。
一時的「歯を抜く」わけですから、歯を失うリスクが生じます、かといって、歯が折れた場合にしっかりくっついて噛むことが得られる、歯科接着材料はいまだ出ていないです。
お口のなかは、唾液や飲食物にさらされますし、噛み合わす上下の歯の力も絶えずみられるわけですからね。
しっかり固定するのが、大事なんです。
ワイヤを用いたり、写真のような縫合する糸で歯を縛ったり、臨機応変です。
けれど、最も大事なのは「最初が肝心」。
この行程がうまくいかなかったら、成功率は著しく低下してしまいます。
ボクは病院口腔外科勤務時代からたびたび行ってきています、統計とってみたら、成功率は60%足らず。
ここでの「成功」は5年経過して、問題ない状態ということです。
成書では50-60%なので、おおむね同じぐらいなのかな、と実感しています。
歯が折れても即座に抜歯にせず、がんばって残せる手立てをとっていきたいです。