針金のついていない義歯。
- 2024年02月6日
こんにちは、にしまつ歯科クリニックの西松です。
2月になり、1年で最も寒い時期、日によっての寒暖差はあるものの、やっぱり冬ですね。
京阪神での大雪はまだありませんが、一気に電車のダイヤが乱れ、社会的なサイクルが滞るため、気象情報はずっとチェックしています。
深い虫歯や歯の破折、あるいは歯周病での大切な歯の喪失後、どの治療が良いのか?
禅問答のようで、永遠に正解が出ないテーマではありますが、だからこそ患者様も、担い手のボクらも、苦慮します。
残存する歯が多くあれば、隣接歯を削合してのブリッジや、保険外診療のインプラントなど、選択肢も広いです。
といっても現代の歯科医学では、これに義歯を加えた3つしか方法が存在しないわけです。
ブリッジでの健康な歯の切削やインプラントの外科的な怖さ、といったものを心配される方もおられるのは、説明する立場からでも十分理解できます。
では義歯はどうか、というと、異物感はあるし、部分義歯から突き出す針金の審美的不満・・・、これも困るなあ、です。
では無策なのかというと、ノンクラスプデンチャという、針金のない義歯がさらなる一手にはなります。
ポリアミド系樹脂やポリエチレンテレフタレートなどの材質で、やや柔らかく、特有の弾性を利用して、歯を抱きかかえるよう(表現が拙ないです)に装着させます。
針金のない審美性は優れており、巷では「お出かけ入れ歯」とか「スマート義歯」といった呼び名であったりしています。
にしクリでも選ばれる方はもちろんおられますが、支えにする歯がポリアミドのしなりに負けない安定度合いが必須です。
歯周病進行している歯に支えを求めれば、着脱で余計に動揺増したりするので、すべてに適応とはいかないです。
歯を失った部分の治療、正解がないなかで、患者様のニーズにできるだけ寄り添い、答えを導き出す、これになるのかもしれません。