「平成の三四郎」、逝去。
- 2021年03月30日
こんにちは、にしまつ歯科クリニックの西松です。
すっかり暖かくなっていますね。
雨が降っても、やけに生温かく感じるぐらい、春らしさが伝わっています。
先日、バルセロナ五輪柔道金メダリストの古賀稔彦さんが亡くなられました。
鮮やかな背負い投げで、一本勝ちを決めていく勇姿は、神々しかったです。
古賀さんは、ボクと同じ昭和42年生まれで、大学時代に初めて名前を知った選手(失礼きわまりないです)だったのですが、まさに同世代のヒーローの一人でした。
他の方と同じかもしれませんが、ボクにとって、古賀さんの現役時代の凄さを物語る大会は2つあります。
1つは、平成2年の全日本選手権。
中量級の選手でありながら、体重別のハンデがない、この伝統の大会に出場。
自分より一回り大きな選手を次々と撃破して、決勝に進みました。
決勝の相手となった、当時の絶対王者、小川直也選手にも果敢に挑んで、最後は足技に屈しましたが、小さな体から誰にも真似できないオーラを発していたのをテレビの画面を介しても感じました。
もう1つは、バルセロナ五輪です。
五輪競技開始前、現地入りしてからの乱取り中、膝に重傷を負ってしまいました。
「古賀、メダル獲り絶望」など周囲の落胆ムードが漂うなか、初戦から盤石の戦いぶりで勝ち上がっていきました。
膝がほとんど動いていない所作でしたが、決勝でも、全身からみなぎる闘志そのままに有利に試合を進めました。
雌雄を決して、主審が古賀さんの勝利を告げ、金メダルが確定した瞬間、彼が目を真っ赤にさせながら、叫びとも、嗚咽ともつかない、声を上げた光景には、強烈な印象があります。
世界選手権での初戦から決勝までの「オール一本勝ち」完全優勝や、指導者に転身してからの女子選手への絶妙な心配りなど、偉大さを感じます。
「平成の三四郎」の、ご冥福を祈ります。