宮本輝さんの小説。
- 2018年11月13日
こんにちは、にしまつ歯科クリニックの西松です。
秋らしい天候が続いて、過ごしやすい毎日です。
日が落ちるのが早く、暗くなった途端に寒くなりますね。
兵庫県ゆかりの小説家に必ず挙げられる、宮本輝さん。
この度、宮本さんのライフワークといえる、自伝的長編小説「流転の海」が、9巻の「野の春」をもって完結しました。
終戦直後の大阪の闇市のドサクサから再起を期した男、松坂熊吾の生きざまを職や家族、人間関係、周りの人々のサイドストーリーも束ねて、書き綴られています。
第1巻が出版されたのが1982年、そこから37年の歳月をかけて、完結させた「超大作」で、登場人物も1200名近くにのぼっているそうです。
あまりに壮大で、ボクには簡潔に内容をご紹介することが難しいです。
学生の頃から宮本さんの本が好きで、多くの作品を読ませていただきました。
テニスや恋愛を通して、若者の躍動感や挫折を描いた「青が散る」、競走馬の勝負に様々な人間模様が交錯する「優駿」、神戸を舞台にした女性同士の愛憎も映す「花の降る午後」。
他にも「泥の河」、「道頓堀川」、「蛍川」の川三部作、「ここに地終わり海始まる」、「愉楽の園」・・・。
先日観た、TVのインタビューでは「私は今71歳、過去の小説家が最も充実した作品を書き上げているのが70代なので、これからが本当の勝負」と語っておられました。
今後も素晴らしい小説を世に出してもらいたいです。