iPS細胞を角膜に移植。
- 2019年09月3日
こんにちは、にしまつ歯科クリニックの西松です。
9月になりました、まだ蒸し暑さは残っていますが、少し涼しくなりました。
天気図をみれば、熱低=熱帯性低気圧の渦がたくさんあり、台風の発生もあるわけで・・・。
これからが台風本格化の時期となりますからね・・・。
先日、大阪大学でiPS細胞を角膜に移植する、世界初の手術が行われた、発表がありました。
概要は、全く他人の方の、iPS細胞=人工多能性幹細胞から角膜の細胞を作り、培養→細胞を増やして、厚みのあるシート状にしたものを対象患者様に移植する、手順です。
目の中央、黒目の部分に相当する角膜は、「物を見る」ことに大きな役割を果たしています。
角膜が機能しない状態になりつつあったり、完全に機能していなかったり、で移植を希望され、提供を待っている方が、日本国内で1600名もおられるという(角膜の病気自体は国内で2万人)・・・。
事故や病気で亡くなった方の角膜提供が一般的なのですが、数が圧倒的に少ないため、移植を受けるまでの道のりがとても厳しい状況になっています。
iPS細胞で、移植の選択肢の幅が広がることを期待したいところです、しかし、拒絶反応や腫瘍化などの合併症のハードルが高いのですね。
移植後の経過は、現在のところ順調で、視力回復もみられる報告なのですが、まだ「臨床研究」段階で、「本当の安全性」が実証されてほしいです。
「iPS細胞の角膜移植を、5年後に一般医療」、じっくり慎重に、でも早くその日がきてほしいですね。